お寺・神社の基礎知識

仏像の姿形

仏像の姿形がさまざまなのはなぜ??

仏の形を模したものを仏像といいます。 ひとくちに仏像といっても、いろいろな形がある仏像ですが、 なぜ仏像はいろいろな形があるのかご存知でしょうか?

今回は仏像誕生の歴史からさまざまなの種類の仏像が生まれた経緯、それぞれの役割などを説明していきます~!

仏像はいつ造られたの??

釈迦の没後、しばらく仏信者たちは、仏塔、法輪、仏足石などを崇拝していました。
その後、釈迦の姿を刻んだ彫刻も現れるようになりましたが、 崇拝の対象ではあっても在りし日の釈迦の姿などを崇拝する意味合いを もったものでした。

釈迦の姿をモデルにした釈迦如来像が誕生したのは、 釈迦の死から500年も先のことになります。
現代のペルシャワール地方に相当する古代王朝・ガンダーラと インド亜大陸の内部に値するマトゥラで造られました。

大仏

釈迦如来像について

釈迦如来像についてさらに掘り下げてお話しましょう。
如来とは「現世の人々を救済するため、如の世界より来たりし者」という考え方です。

仏陀と同義語になります。如来像の誕生により、釈迦は過去の歴史的な偉人から、別世界から来た仏陀になったわけです。
どうして?と不思議に思われるかもしれません。
これは仏教の発展と大きく関係しています。

釈迦の没後、仏教は小乗仏教が主体となっていました。
修行僧の目的は、釈迦のような阿羅漢になること。
釈迦を阿羅漢の一人と考え、釈迦の境地に達成するために修行に明け暮れたのです。

また、修行僧と在家信者の間にも区別があり、 修行僧も、自分が阿羅漢になればいいのであり、人々の救済についての意識はありませんでした。
こうした傾向に反対したのが、在家信者たちです。
彼らのあいだから大乗仏教の動きがおこってきました。

小乗仏教が「修行に励める人だけの救済」をうたっているのに対し、 大乗仏教が「釈迦の教えを信じる人すべての救済」を目指したのです。

釈迦如来像

すべての人を同等にする釈迦如来像

大乗仏教が浸透すると、釈迦が修行することで到達できる存在であってはまずくなってきます。
なぜでしょうか?

到達をめざして修行する人が増えて、結果的に到達できる人とできない人に差が生まれてきてしまうからなんですね!
仏教をしんじる人たち全員を救済することを目指す以上、 必要なのはそうした区別が生まれないようにすることでした。

そこで考え出されたのが、釈迦を超越的存在にすることなのです!
人が修行で到達できるような次元とははるかにかけ離れた存在にすることで、 釈迦の前では誰もが平等、という状況を作り出したのです。

その結果、釈迦如来像が生まれることになったのです。
つまり、「釈迦は如の世界からやってきた超越者なのだから、 人が修行して到達できるような存在ではない。
われわれは釈迦の教えにしたがっていき続けることである。 救済の道もそこにある。 」というメッセージを具現化したのが、釈迦如来像だったのであるのです。

釈迦如来像2

インド古来の神々も吸収

釈迦如来の誕生以後、さまざまな如来像・菩薩像がつくられるのですが、これは当然の結果でした。 というのも、如(真理)の世界という別世界がある以上、釈迦以外のブッタがいても 不思議ではないからです。
また、人々の間にも「如来が多ければ多いだけ、救済の枠も広がる」という 意識がありました。
大乗仏教は人々のそうした思いを汲み取る形でさまざまな仏を生み出し、拡大していったのです。

この拡大・発展の過程で、古代インドの神々の吸収、密教の誕生、という2つの出来事がおこります。 仏像には「天部」という種類があります。
天部とは古代インドの神々たち、異教の神々のことです。
仏教は拡大・発展の過程で古代インドの神々を「釈迦の教えに帰依した」という形でとりこみ、仏教の守護と人々への福徳の授与という役目を与えたのです。

こうして、古代インドの神々の吸収が仏像をさらに多様にしていきました。

密教の誕生とさらなる神々の誕生

密教とは「秘密宗教」の意味です。 詳しく説明すると、五世紀から七世紀にかけて、大乗仏教にヒンドゥー教(古代からインドで信仰されていた民衆宗教)をはじめとするさまざまな民衆宗教や神々を融合させた、新しい仏教のことです。
大日如来を宇宙創造の主と位置づけるのと、呪術的で神秘的な儀式が多いのが特徴になります。
この密教の成立によって誕生したのが「明王」です。
明王ももともとは異教の神々でしたが、密教はこの神々を積極的にとりいれました。
加えて、バラモン教の神々を取り入れたため、密教の成立によって仏像の数は
飛躍的に増えることとなりました。

さらに、仏像の増加はこれにとどまらなかったのです。
羅漢・高僧の仏像も造られ、伝播した国々で、その国々の神々と融合する形で
造られた仏像も数多く誕生しました。

このような状況になったのはやはり、大乗仏教が「仏教を信じる万人の救済」という点を明確にし、人々の願いに支えられる形で拡大発展したことに関係がある。

一人も余さず救ってもらいたいという思いが千手観音を生み、あらゆる病いから逃れたいという願いが薬師如来を生み、死後は苦しみたくないという切望が阿弥陀如来を生んだのです。
つまり、多種多様な願望に応えるためにも、仏像は多種多様にならざるをえなかったのですね。

仏像は人の願い・思いが具現化したものです。
人は千差万別。仏像の形がさまざまなのは、人の願い・思いの数がさまざまであることのあらわれなんですね~~。

仏の種類

ここで 代表的な仏さまを簡単に紹介していきます。

■如来
悟りを開き、真理を体現した仏さま。釈迦如来・阿弥陀如来・薬師如来など。

■菩薩
悟りをもとめ、人々に救済をもたらす仏さま。観音菩薩、弥勒菩薩・千手観音など。

■明王
怒りの形相で人々を導く、密教の仏さま。不動明王・五大明王・孔雀明王など。

■天部
仏さまを護る古代インドの神々で、現世利益をもたらす。梵天・帝迦天・四天王など。

■羅漢・高僧・神像
最高位の僧や宗派の開祖、仏教の影響を受けた神。十大弟子・僧形八幡など。

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